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サラバ! 下 [本]

「サラバ! 下」西加奈子・著 小学館

 サラバ!上巻では、姉や母などに翻弄されていた主人公の歩。
 姉を見て育ち、無駄なトラブルにならないよう、上手に世間を渡ってきた歩であった。
 大阪の家族から逃げるように大学は東京に進学し、ここでも上手に暮らし、ライターとして生計を立ててきたが。
 常に何かから逃げていた人生だっのであろう。ふとしたことをきっかけに歩の人生は転落する。歩は一人、エジプトに向かう。

  母、父、それぞれの過去。また、親友である須玖、また唯一恋愛感情なしでいられた女友達の鴻上。歩の何かから逃げてきた感情、冷めた無気力さがとても感じられました。

 様々な宗教に救いを求め、巻貝で自分を表現し、もがきながら道を探していく姉。対比的に何にも深く入り込まずそつなくやれればいいという弟。
 しかしながら、転落を機に何かを考え始める歩の心境に共感できる部分は多いです。

 上巻で張られた伏線をみんなすっきり回収できた、そんな気分です。気持ちよく読み終えました。

サラバ・上 [本]

「サラバ・上」西加奈子・著 小学館

 主人公の圷歩は周囲の個性的でアクの強い家族に翻弄されている。乱暴で大人のいうことを聞かない姉の貴子、自己中心的な母、一家を担っているが存在感の薄い父。
 歩は父の仕事の都合でイランで生まれ、その後帰国したが、小学校に入学して間もなく、今度はエジプトで暮らすことになった。

 歩はそつなく、誰とももめることなく過ごしていたが……。

 以前「アメトーーク」の読書芸人のとき、光浦靖子さんがおすすめされていたのて読んでみました。
 主人公の周辺の人々、とにかく癖が強い。家族の中で浮きがちだった歩。いやあ、気の毒だなあ。ですが、そんな歩の気持ちがよく分かる。西加奈子さんは女性のはずなのに思春期男子の心の内をよく分かって書かれていると感じました。
 また、エジプトに海外赴任している家族の話が詳しく書かれているなあと思ったら西加奈子さん自身もイラン・テヘランとエジプト・カイロで暮らしていた経験があったとのこと。

 下巻が楽しみです。

海の見える理髪店 [本]

「海の見える理髪店」荻原浩・著 集英社

 第155回直木賞受賞作。六つの短編が収められています。

 表題作は、主人公が、田舎の海沿いにある理髪店に行く。理髪店の鏡は一枚の絵のよう。海が広がっている。

 年老いた店主は、小気味良く散髪しながら、これまでの人生を語っていく。

 主人公と老店主の会話だけなのに、情景が思い描けました。店主のそれまでの背負ってきたものが、悲しくもあり、温かくもあり。

 それぞれの短編で、父と息子、母と娘など家族の思いや関係が描かれています。単純に温かい訳ではない、家族ならではの遠ざけるような、でもどこかで繋がっていたいような。心に染みます。

空鉄今昔 [写真集]

「空鉄今昔」花井健朗、吉永陽一 撮影・文 講談社

 写真家である二人が、鉄道路線の空撮した写真集。

 田町ー品川間、札幌、名古屋など、変化の大きい大都市から、駅の構造が面白い駅まで様々な駅の写真。
 花井さんが1985年から1990ごろ、吉永さんが2010年から2015年ごろの写真を撮影しています。その間の変化がとてもよくわかります。
 昔はあった建物が無くなっていたり、逆に何もなかったところにたくさんの家や町ができていたり、とても面白かったです。

 それぞれの撮影機材や飛行機、ヘリコプターでの撮影のしかたなど、この本文を読んではじめて分かることもたくさん。

 個人的にはスカイツリーができる前後の写真が面白かったです。

だるまちゃんしんぶん [絵本]

「だるまちゃんしんぶん」かこさとし・作 福音館書店

 ちょっと変わった絵本で、だるまちゃんしんぶんが4部、裏表紙見返しの封筒に入っています。春、夏、秋、冬の季節の新聞です。
 それぞれの季節のニュース、行事、俳句、クイズなど。だるまちゃんシリーズの登場人物も出てきて楽しいです。

 少し古風で、日本の四季にはこんなことをしていたのだということが改めてよく分かります。子どもに日本の伝統行事や四季の様々なことを教えるのにいいです。

でんしゃにのったよ [絵本]

「でんしゃにのったよ」岡本雄司・作 福音館書店

 男の子がおかあさんといっしょに、電車に乗っていとこの家にいく話。
 電車を3本乗り継いで行きますが、それがローカル線の2両編成の電車、湘南色の長めの4両編成の電車、新幹線と三者三様です。
 電車そのものも正確で丁寧に描かれています。親しみやすい色合いの絵です。

 新幹線が300系、湘南色の電車は、昔、東海道線を走っていた113系だろうなというのは分かるのですが、最初のローカル線で走っている電車がよく分かりません。なんだろう?

 電車好きにはたまらない本です。