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サラバ・上 [本]

「サラバ・上」西加奈子・著 小学館

 主人公の圷歩は周囲の個性的でアクの強い家族に翻弄されている。乱暴で大人のいうことを聞かない姉の貴子、自己中心的な母、一家を担っているが存在感の薄い父。
 歩は父の仕事の都合でイランで生まれ、その後帰国したが、小学校に入学して間もなく、今度はエジプトで暮らすことになった。

 歩はそつなく、誰とももめることなく過ごしていたが……。

 以前「アメトーーク」の読書芸人のとき、光浦靖子さんがおすすめされていたのて読んでみました。
 主人公の周辺の人々、とにかく癖が強い。家族の中で浮きがちだった歩。いやあ、気の毒だなあ。ですが、そんな歩の気持ちがよく分かる。西加奈子さんは女性のはずなのに思春期男子の心の内をよく分かって書かれていると感じました。
 また、エジプトに海外赴任している家族の話が詳しく書かれているなあと思ったら西加奈子さん自身もイラン・テヘランとエジプト・カイロで暮らしていた経験があったとのこと。

 下巻が楽しみです。

海の見える理髪店 [本]

「海の見える理髪店」荻原浩・著 集英社

 第155回直木賞受賞作。六つの短編が収められています。

 表題作は、主人公が、田舎の海沿いにある理髪店に行く。理髪店の鏡は一枚の絵のよう。海が広がっている。

 年老いた店主は、小気味良く散髪しながら、これまでの人生を語っていく。

 主人公と老店主の会話だけなのに、情景が思い描けました。店主のそれまでの背負ってきたものが、悲しくもあり、温かくもあり。

 それぞれの短編で、父と息子、母と娘など家族の思いや関係が描かれています。単純に温かい訳ではない、家族ならではの遠ざけるような、でもどこかで繋がっていたいような。心に染みます。

空鉄今昔 [写真集]

「空鉄今昔」花井健朗、吉永陽一 撮影・文 講談社

 写真家である二人が、鉄道路線の空撮した写真集。

 田町ー品川間、札幌、名古屋など、変化の大きい大都市から、駅の構造が面白い駅まで様々な駅の写真。
 花井さんが1985年から1990ごろ、吉永さんが2010年から2015年ごろの写真を撮影しています。その間の変化がとてもよくわかります。
 昔はあった建物が無くなっていたり、逆に何もなかったところにたくさんの家や町ができていたり、とても面白かったです。

 それぞれの撮影機材や飛行機、ヘリコプターでの撮影のしかたなど、この本文を読んではじめて分かることもたくさん。

 個人的にはスカイツリーができる前後の写真が面白かったです。

だるまちゃんしんぶん [絵本]

「だるまちゃんしんぶん」かこさとし・作 福音館書店

 ちょっと変わった絵本で、だるまちゃんしんぶんが4部、裏表紙見返しの封筒に入っています。春、夏、秋、冬の季節の新聞です。
 それぞれの季節のニュース、行事、俳句、クイズなど。だるまちゃんシリーズの登場人物も出てきて楽しいです。

 少し古風で、日本の四季にはこんなことをしていたのだということが改めてよく分かります。子どもに日本の伝統行事や四季の様々なことを教えるのにいいです。

でんしゃにのったよ [絵本]

「でんしゃにのったよ」岡本雄司・作 福音館書店

 男の子がおかあさんといっしょに、電車に乗っていとこの家にいく話。
 電車を3本乗り継いで行きますが、それがローカル線の2両編成の電車、湘南色の長めの4両編成の電車、新幹線と三者三様です。
 電車そのものも正確で丁寧に描かれています。親しみやすい色合いの絵です。

 新幹線が300系、湘南色の電車は、昔、東海道線を走っていた113系だろうなというのは分かるのですが、最初のローカル線で走っている電車がよく分かりません。なんだろう?

 電車好きにはたまらない本です。

おかしのくにのうさこちゃん [絵本]

「おかしのくにのうさこちゃん」ディック・ブルーナ 文・絵 福音館書店

 だいたい3歳~。約2分30秒。
 2005年にオランダで発行され、日本の福音館書店が2007年に発行しています。
 次女みき(仮)が幼稚園の頃よく読んで、今回おはなし会のために改めて練習で読んだら、うさこちゃんの表情といい、言葉のリズムといい、読みやすくて子どもの心に響くだろうなあと思いました。
 おかゆを食べているうさこちゃんが(ここがおかしのくにだったら)と想像しています。子どもだったら一度は思うだろうな、子どもが共感できるのではないでしょうか。

 そういうオイラも、ここがおかしのくにだったらと妄想し、いやいやオイラの年では中性脂肪やら悪玉コレステロールやらの数値がえらいことになるぞとお菓子を諦めるのです。共感。

こねこにこにこねどこでねころぶ [絵本]

「こねこにこにこねどこでねころぶ」石津ちひろ・文 藤枝リュウジ・絵 BL出版

 石津ちひろさんの早口言葉に、藤枝リュウジさんの可愛いのか雑なのか(笑)、味のある絵が魅力的絵本。

 タイトルの「こねこにこにこねどこでねころぶ」をはじめとした、リズミカルな文。とっても楽しい絵本です。言葉が転がっていく感じがします。
 真面目くさって読むとつまらないけれど、早口だとついうっかり噛んでしまう、お話会で読むとすると、読み方は難しいかも。自分の子どもなら気にせず楽しく読めるんですけどね。

ジブリの哲学 [本]

「ジブリの哲学」鈴木敏夫・著 岩波書店

 スタジオジブリの鈴木敏夫さんが、ジブリにまつわる様々なエッセイや宣伝用の記事、対談などを集めたもの。

 ジブリの宮崎駿さん、高畑勲さんについてのことや、ジブリの映画を作っていく上でのポリシーや、作品に込める思いなど、本当にたくさん知ることができました。
 町工場的なスタイルで、質も良く、商業的に成功する作品を作り続けてきたのは、宮崎さん、高畑さんのカリスマ性だけでなく、ジブリで働くスタッフの力も重要だったのだと感じました。

 この本を読んで、前にも読んだことあるかなあ……と思った文章は「仕事道楽ー新版」にも載っていたものでした。

 鈴木敏夫さんが書かれた文章が余すところなく載っているように思います。ボリュームがすごいです。それぞれの映画ができたときにまつわる話が色々載っていて面白かったです。

だれもが知ってる小さな国 [本]

「だれもが知ってる小さな国」有川浩・著 講談社

 佐藤さとるさんの「だれも知らない小さな国」などのコロボックルシリーズを受けて新しく書かれた物語。

 比古(ヒコ)は、「はち屋」の息子で小学3年生。「ハチ屋」とは養蜂業のことで、日本の各地で咲く花の蜜を追いかけて、季節ごとに移動する。
 いつもの夏のように、比古は家族と一緒に北海道の学校に転校してきた。毎年夏限定の生徒で、クラスメイトも知った顔だけど、その年は僕のほかにもう一人転校生がいた。その子の名前は比売(ヒメ)で、今年からお父さんが「ハチ屋」の跡を継ぐという。

 ヒコとコロボックルの出会い、北海道の花々や木々の風景、ヒコやヒメの心情などが生き生きと描かれていて、有川さんの文章のすごさを改めて感じました。自然の中、特に木や草花の描写が素晴らしい。
 佐藤さとるさんのコロボックルシリーズを受けて書かれていますが、有川さんらしい、幸せな気分になる一冊です。

ない仕事の作り方 [本]

「ない仕事の作り方」みうらじゅん・ 著 文藝春秋

 「ゆるキャラ」「マイブーム」「見仏記」などで知られるみうらじゅんさんの本。

 ひこにゃんやくまモン、バリィさんなど、ゆるキャラがブームになり今では安定した人気を保っています。みうらじゅんさんは、その「ゆるキャラ」という言葉を生み出し、世間に認知させた人です。
 ジャンル分けがないものに、名前をつけ、それが面白いものなんだよと売り込む、面白いかどうかじゃなくてとにかくそれを好きになって周りの人々に言いまくる、そうしてたくさんのブームを作ってこられました。
 目の付け所が何ともニッチというか、新しいブームは思いがけないところから生まれるものだなあと感じました。
 漫画家でもあり、エッセイストでもあり、ミュージシャンでもあるみうらさんだからあれだけのブームになったんだろうという気もします。
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